【声明文】G7 サミットに向けて ~負担を先送りにしない環境政策を~

Facebooktwittergoogle_plusmail

現在、環境問題への対策が十分に行われなかった場合、その被害は将来世代が受けることになる。そのような事態にならないために、将来世代に負担を先送りにしない「世代間の衡平性」が重要になる。このため、環境問題の解決には青年(若者・ユース)世代の視点を盛り込むことが重要だと考える。来月5月に開催される第42回先進国首脳会議は、パリ協定が採択されて以来最初のサミットである。また、開催地の伊勢志摩は第10回生物多様性条約締約国会議が行われた名古屋からほど近い。これらを考慮し、気候変動問題に取り組む「Climate Youth Japan」と生物多様性問題に取り組む「生物多様性わかものネットワーク」は、伊勢志摩サミット1か月前である本日、G7各国および日本政府に対し声明を発表する。

声明文はこちらより
CYJ・JBYN声明文_20160426

Climate Youth Japan
「G7各国が気候変動問題を解決に導くために」


2015年12月に採択された「パリ協定」では、今世紀後半中に世界全体で人為的な温室効果ガス排出量の実質ゼロ化が目指されることとなった。この達成に向けた対策が不十分であれば、将来世代にかかる負担や気候変動の被害は甚大なものになることが予想される。そのため、将来世代である青年の意見を施策に反映させることが求められる。本声明 は、今後長期に渡って影響を受ける青年の立場から、G7伊勢志摩サミットの気候変動・エネルギー分野に関してG7各国および日本政府に対する要望を取り纏めたものである。

G7各国に対して
G7各国は、経済が成熟した先進国の代表的な存在である。そのためG7各国は、パリ協定を実効性のあるものにすべく、率先した行動をとるべきである。特に、2025年、2030年目標の達成に限らず、長期的な視野に立った目標、計画とその達成が必要である。これらを考慮し、我々はサミットにおいて以下の3点を宣言することを求める。

1.昨年のエルマウサミットでは、2050年までに2010年比で40-70%の幅の上方を削減することが宣言された。これが世界全体での排出削減目標だという点を考慮すると、先進国はそれ以上の削減が必要である。G7各国は、2050年までに温室効果ガス排出量を2010年比で少なくとも80%削減することを宣言すべきである。これは、世界各国の長期目標作成・引き上げを促すだけでなく、投資家が長期的に低炭素な技術・ビジネスを強化するインセンティブにもなる。

2.2℃目標のみに言及することは、途上国の訴えに基づいた合意を蔑ろにしていると考えられる。2℃目標だけでなく、1.5℃目標を追求することを宣言すべきである。

3.COP21においては2050年までの長期的な温室効果ガス低排出開発戦略を提出することが推奨されている。G7各国は世界をリードして対策を行う立場として、この長期戦略を2020年よりも十分早くに提出することを宣言すべきである。


日本政府に対して
日本はG7サミットの開催国であり、気候変動・エネルギーは今サミットの主要議題である。そのため日本政府は、パリ協定採択後初のサミット開催国として、野心的な気候変動・エネルギー政策を実施すべきと考える。そのうえで、我々は以下の4点を求める。

1.日本政府は2050年に温室効果ガス排出量を80%削減するとの長期目標を閣議決定しており、この文言は地球温暖化対策基本計画にも反映される見通しである。この目標達成のためには石炭火力発電所の大半を閉鎖する必要があると考えられる。この点を考慮し、石炭火力発電所の増設が将来世代に渡って重大な排出源となるリスクを認識すべきである。

2.2020年までは、各国による自主的な削減目標の達成が目指されている(EU等は除く)。しかし、日本の2020年までの温室効果ガス削減目標は2005年比で3.8%減以上と、東日本大震災後の暫定目標からほぼ変わってない。この目標は1990年比で3.1%増加であり、2030年、2050年目標に向けて削減を進めるうえで、明らかに不十分なものである。対策を先送りにせず、2020年までの削減目標を引き上げるべきである。

3.産業部門は、2013年時点で日本の二酸化炭素排出量の33%を占めている。そのため、2050年80%削減という国内長期目標達成には、この部門での削減が必須となる。しかし、産業部門の2030年までの削減目標は2013年比で6.5%となっており、2050年目標と整合しない。2050年80%削減を達成することを見据え、2030年までの産業部門での排出削減目標を引き上げるべきである。

4.日本は原子力・石炭火力をベースロード電源として定め、太陽光や風力よりも優先的に給電している。しかし、原子力は放射性廃棄物の問題の解決の見通しが立っておらず、持続可能なエネルギー源とは言い難い。現状のまま原子力・石炭火力発電の割合を維持していては、上記の国内長期目標達成を達成し、かつ持続可能な社会を実現することはできない。海外での多くの成功事例に倣い、日本は再生可能エネルギーを中心とした電力供給体制に移行するべきである。


 

生物多様性わかものネットワーク
「ユースを中心とした国民に向けた生物多様性の主流化の推進を」


現状
2010年に名古屋で開催された、第10回生物多様性条約締約国会議(以下COP10)を契機に、日本国内では生物多様性への関心が高まった。しかし、内閣府が平成26年7月に実施した「環境問題に関する世論調査」では、「生物多様性」という「言葉の意味を知っている」人が16.7%、「意味は知らないが、言葉は聞いたことがある」人が29.7%だった一方、「聞いたこともない」人が52.4%と過半数に上った。だが、同調査における「自然に関する関心度」では、「非常に関心がある」という者が21.9%、「ある程度関心がある」という者が67.2%を占めた。以上から、自然環境には国民の多くが関心を寄せている一方、生物多様性への認知度が低いことがわかる。
また、私たち生物多様性わかものネットワークでは、環境問題に関する活動を行う学生団体・サークルに対し、「生物多様性」「愛知ターゲット」の認知度について、アンケート調査を行い、「生物多様性わかもの白書vol.1」を作成した。各団体・サークルの代表者(全39団体)に回答していただいた結果、「生物多様性」を人に説明出来るは56%、聞いたことがあるは46%であった。しかし、「愛知ターゲット」に関しては、人に説明出来るが21%、聞いたことがあるが26%、聞いたことがないが54%と、半分以上が「愛知ターゲット」について認識していなかった。
一方で、政財界での生物多様性の概念の主流化は進展している。平成27年3月末で、生物多様性地域戦略の策定済みの自治体は、35都道府県、14政令指定都市、48市区町村の合計98にのぼる。経済界においても、大企業を中心にCSR活動で生物多様性への取り組みは進められている。
つまり、COP10で掲げられた愛知ターゲットの中間年を昨年迎えた現状を鑑みると、政財界においては生物多様性の主流化は進展がみられるが、以下に示す愛知ターゲット1に基づいた人々への生物多様性の普及啓発、すなわち、日常生活における国民ひとりひとりへの主流化が不十分なことが浮き彫りとなっている。
※愛知ターゲット1
「遅くとも2020年までに、生物多様性の価値及びそれを保全し持続可能に利用するために取り得る行動を人々が認識する」

提言
世代を超えても自然環境を保全していくために、ユース(若者)は次世代の担い手として、自然環境保全に高い関心を持っていくことが求められる。しかしながら現在、自然環境分野のあらゆるセクター、フェーズにおいて、次世代を担うユースが主体となって活動できる場は限られている。そこで私たちは、ユースが生物多様性保全及び持続可能な利用のための取り組みにおいて、直接的な担い手、また他の担い手と協働して役割を果たし、さらに将来の担い手となる主体として、多様なセクターに参画できる環境整備を求める。
加えて、生物多様性への理解を深めるために、「愛知ターゲット」等の生物多様性関連事項を学校教育へ盛り込むなど、国民への主流化の推進を求める。

●Climate Youth Japan(CYJ)
http://climateyouthjapan.org/?lang=en
2010年春、気候変動問題に高い関心を持って活動しているユースによって設立された団体。CYJは社会の中で若者が声を上げることにより、気候変動問題の解決を通じた衡平で持続可能な社会の実現を目指します。
お問い合わせ:climateyouthjapan@gmail.com
●生物多様性わかものネットワーク(Japan Biodiversity Youth Network) http://biodiversity-youth-network.jimdo.com/
生物多様性や関連する活動・研究を行う大学生や社会人を中心とした若者のネットワーク団体です。私たちは、若者の力で、愛知ターゲットの達成に向けた貢献をし、生物多様性と共に生きていく社会の実現を目指しています。
お問い合わせ: biodiversity.youth.network@gmail.com

Leave your comment

メールアドレスは公開されません。* が付いている欄は必須項目です。

">
【環境省・経産省×わかもの 意見交換会実施!!】

2016/12/18
  • 【声明文】G7 サミットに向けて ~負担を先送りにしない環境政策を~
    2016/04/25
  • COP21 声明文
    2015/12/08
  • 各省庁への提言書の提出
    2015/12/04
  • COP20 声明文
    2014/11/13